脱肛のシ者

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終わりなき戦いへ挑む、中年の物語。

前回までのあらすじ

脱肛の適格者 - そして、かおもじへ

 人生初の脱肛を経験し、戸惑う私。

ボラギノールと脱っ友、2つの武器でこの戦いを乗り切ろうとしていた。

順調に思えた戦いだが、やがて陰りを見せる。

 

真実と雄弁

 ボラギノールの効果は凄い。

初めて脱肛をした日から一度も違和感を感じた事はない。

ボラギノールと私のシンクロ率は良好だ、文化の極みと言っていいだろう。

しかし何故、私だけが下半身の病に侵されるだろうか。

頻尿・血尿・淡白・残尿感・性欲減少。

それに脱肛も加わり、数え役満である。

もうすでに飲みきってしまった八味地黄丸を思い出した。

これは父親から受け継いだものだ。

ある疑惑が浮上する。

すぐに父親に連絡をして、どうしても確認したかった事を尋ねた。

脱肛をした事、尿関係に異常がある事を告げた。

それは私だけなのか。

父親の答えは私の予想通りであった。

『お父さん頻尿だし、お母さんは淡白で、おばあちゃんは血尿だったよ』

前世で何があったかわからないが、その血の運命*1を受け入れる事にした。

その次の言葉は、私の想像を遥かに超えるものだった。

『そういえば、お兄ちゃんも痔だった』

兄と私は脱肛ブラザーズだった。

 

せめて、病人らしく

 あまりにも経過が良好の為、病人だということを忘れ慢心していた。

私はまたあの恐怖と対面する事となる。

 

脱肛初体験から一ヶ月が経過したある日、一家で遊園地へ遊びに行く事となった。

重たい荷物を持ち、一時間ほどかけて辿り着いた遊園地は想像と幻想の世界だ。

普段の殺伐とした世界とは違い、夢と希望で満ち溢れていた。

年甲斐もなくはしゃぎ、 楽しんだ。

 

楽しい時間はいつまでも続かなかった。

夕方になり徐々に異変が起こり始めた。

懐かしい違和感。

あれほど脱っ友から教えてもらった大切な事を忘れてしまっていた。

疲れ、一日中立ちっぱなし、注意されていた教えを忘れていた。

脱肛しかけている。

ATフィールドが全開になり、コアが出ようとしている。

さらに追い討ちをかけるように始めての経験、痛みを伴ってきた。

マスコットキャラクターと握手をしている手にも自然と力が入る。

私は一人休憩をとった。

徐々に痛みは引き大事には至らなかった。

これが噂のセカンドインパクト。

今回はギリギリで守れたが、次はダメかもしれない。

遊園地から自宅へ帰る途中、やはり病院に行こうと堅い決意をした。

 

ヘヤー、まごころで脱毛

 病院に行く事を決意した私だが、その前にどうしても自分の目でATフィールドの奥にあるコアを確認したくなった。

全身鏡がある部屋に行き、手鏡と合わせ確認できないものかと模索した。

私はすぐに致命的な問題に気が付いた。

そうだ、密林のジャングルがある。

密林のジャングルを伐採しなくては前に進めない。

その密林のジャングルを伐採する為にあらゆる手段を考えたが、最終的に辿り着いた答えはこの小道具を使用する事だった。

鼻毛だけではなく、汎用性が絶大なエチケットカッターを使用すれば伐採できると思いついた。

ゆっくりとそのスキマに向けてスイッチを押した。

次の瞬間、鏡の隣にあるドアが開いた。

致命的なミスを犯していた、ドアの鍵を閉めるのを忘れていた。

嫁が入ってきたのである。

嫁は私の滑稽な姿を目の当たりにして嘆くように呟いた。

『あんた バカぁ?』

その問いかけに返す言葉もなく、無言のまま視線を逸らした。

 

嫁が出て行った後一人残された私は、ふと目の前の鏡を見つめた。

鏡に映るその姿は、積み上げたものぶっ壊して、脱肛中年だった。

 

次回予告

 迫り来るセカンドインパクトの恐怖に耐え切れず、ついに病院に行く事を決意する。

明かされる真実の病名。

追い討ちをかけるように、医者は今後の人生において重大な決断を迫る。

 

次回、終わる日常。

この次もサービス サービスぅ。

*1:これはジョジョだった

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