離婚と倒産

スポンサーリンク

目に見えないバランスで成り立っている。

 離婚には一定の理解をしているつもり。私自身も入籍三日目で離婚届に署名をしている。署名をした理由はお互いが依存し合わないように。あなたがいなくては生きていけれないなんて貧弱な精神では生活が成り立たないとお互いが思ったため。実際には子供がいると子供を中心に考えなければいけなくて、夫婦の感情なんてのは置き去りになりがち。これが親になるということ、大人になるということ。ここで大きな選択肢を考える。子供がいても離婚したいほど憎しみあっていた場合は感情を殺してでも子供が成人になるまで我慢するか、子供のためにも即刻離婚するか。憎しみあう原因なんてのは人それぞれだが、金の切れ目、性の不一致、なんとでも理由はできる。

 わからないのが円満離婚というやつ。たった一度しかない人生なので我慢したまま年老い、一生が終わる人生なんて馬鹿げているとは思う。離婚したことには理解はできる。子供の為、自分の為。が、離婚するまでの過程が円満なわけがない。バンドが音楽性の違いで解散するとは訳が違う。言葉や直接的暴力が離婚までの過程にあっただろうと家庭背景が目に浮かぶので離婚したことは後ろめたい事案として受け止めている。

 昔父親にお前がいるから生活が苦しいと言われたのを未だに覚えているし死ぬまで忘れない。私という生命を与えてくれた事には感謝しているし、幼少時代それなりに苦労はしたがこうして今生きている。が、子供を理由に我慢してきたというのは違う。父親を反面教師として自分の子供に接している。子供が三人いるがそれは私達が望んだ事。確かに子供が三人いて、400万台の年収では生活が厳しい。幸いにも嫁がデキる人間なので生活が成り立っている。離婚届を署名した理由の真の意味は共倒れをしないこと。今現在私が勤めている会社が倒産したら離婚をする。正確には半年以内で再就職できなければ離婚をする。子供はどちらが引き取るかは話し合う。無理やり引き止めるのも違うと思うので子供の意見を尊重する。お互いの実家に帰ったほうが生活はしやすい。子供の事を思うとなおさら。感情論より子供を成人まで育てるという意味では離婚をした方が正解だと思っている。けして円満ではない離婚になるだろう。

 

 終身雇用なんてのはありえない。会社側からリストラというより、希望退職者を募ったり、そもそも一気に倒産したり。一年ほど前付き合いが深い協力会社が不渡りを出した。不渡りをするとイエローカードと聞いていたが、実質レッドカードで、一度不渡りを出すと信頼が欠けるので客が逃げていく。私は会社の命令で倒産する直前まで仕事を出し続けた。が、倒産してしまった。倒産する日はある程度前もって教えてくれていたので仕事を引き戻し、預けていた資産も引き取った。倒産すると差し押さえられて、弁護士経由で長い時間をかけて預けていた資産を引き取らないといけなくなるので事前に引き取った。その会社も倒産するまでリストラはしなかった。けして他人事ではなく明日はわが身だと思っている。部長職がご老体ばかりで役員経営陣もご老体。次の年代が一気に飛ぶので私も次期部長職候補の一人にあげられている。問題なのは役員経営陣の方で跡継ぎがいない。跡継ぎがいないとなると外部経営になるだろうがこの赤字会社を誰が引き継ぐのだろうか。第一候補は銀行から名前だけ借りての経営者になりそうだ。銀行から多額の借金をしているので、銀行としてもここで倒産させると負債を受け持つことになるので倒産させたくないらしい。赤字の額が中途半端で、むしろ赤字の数字が減れば即刻倒産させるだろうという意見を聞いた。売上を伸ばしてもダメ、減らしてもダメという意味不明なバランス。そうはいってもこのご時勢なかなか売上を伸ばすのは苦しくて日々試行錯誤をしている。どこまで強制的に事業を切り替えていくか、反発も大きいだろう。部署丸ごと一つ潰すぐらいのことをしないと今後生き残れそうにない。個人的には機械全般を処分すればいいのにと思ってはいるものの、そんなに簡単なものではない。

 

 家庭も会社も外部から見たらうまくいっている、安泰安心だなと思われる。実際には公表していないだけで問題が山積みなはず。少しバランスが崩れたら一気に終わる。大きな犠牲を強いられても守らなければいけないものがある。安泰安心安全なんてものは世の中に存在しない。